大茶盛は、鎌倉時代の延応元(1239)年より奈良の西大寺に伝承され、750年以上の歴史をもつ特異な西大寺流の茶儀であります。
奈良時代に創建された西大寺を鎌倉時代に復興された興正菩薩叡尊(こうしょうぼさつえいそん)が1201~1290年が修正会(しゅうしょうえ)の結願のお礼参りに、西大寺鎮守「八幡宮」に茶を献じ、その余服を参詣者に健康を祈願してふるまったことに始まります。そのことは広く一般の庶民にお茶を普及するのに、この大茶盛が大きく貢献したと言われています。
直径40㎝、重さ6kgほどの大茶碗で
興正菩薩叡尊は日本福祉の先駆者であり、当時ライ病(ハンセン氏病)患者や、差別を受けていた人々の救済に尽力を尽くされました。その時、薬としてお茶を人々にふるまったとされています。また飢餓に苦しむ人が多かったためお茶ではなく、お粥をほどこしたとの説もあります。
以後、戒律により飲酒が禁じられたため、お茶で宴会をしたので「酒盛(さかもり)」に代わり「茶盛(ちゃもり)」と称されました。この大茶盛は興正菩薩叡尊の薬を施すという福祉の精神と、戒律の不飲酒戒の精神が基礎となり、今日まで西大寺に連綿と伝承されて参りました。
昭和53年、当山の奥之院開創に当たり、西大寺より全国では唯一、分流として正式に免状を受け、大茶盛を行うようになりました。直径40㎝、重さ6kgほどの大茶碗で、周りの人に助けられながらお茶を飲む様子は、実に和やかであり、まさに「一味和合」の趣があります。
通常の大茶盛
- ■時 間:原則として午前10時から午後4時まで(1回の所要時間は約40分)
- ■拝服料:お一人千円(15名以上のグループで、必ずお早めにご予約ください。)
- ■場 所:蓮華院誕生寺の奥之院 熊本県玉名市築地字小岱1512-77
- ■電 話:0968-74-3533
- ■交 通:九州新幹線新玉名駅 or JR鹿児島本線玉名駅下車 タクシーで約10分
- 九州高速道菊水インターより、玉名市へ約20分